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2009年11月
2009.11.1

なんとか10月が終わりました(^^)。

高知県立美術館10月31日から、『日本のわざと美』展が開催しています。

10月31日はオープニングイベントで、ちょうど特別講演会『人間国宝 十四代酒井田柿右衛門』氏による講演会があり、行って来ました。

さて。工芸作品、あまりなじみがあるとはいえない私ですが、会場に展示してある作品はどれも、『見事!!』というほかありません。…日本人の繊細な手しごとはやはり秀逸。

会場に並んだ作品はいかにも『作品』で、ふさわしい場所を得て、きっしりと並んでいる感がありました。

午後から、柿右衛門氏の公演があり、開口一番、『最近よく質問されることに、作家と職人、どちらがえらいか』ということがある、というお話。

『私は職人が偉いといと答えている。…作家にはいつでもなることができるが、職人になるためには40年はかかる』

『最近は作家になりたい、という若者が増えて職人になりたい、という人間が減った。はじめから作家を目指すよりも、職人のわざをきっちり習得してから作家になってほしい。できてくる作品が格段に違う。…現在の風潮は残念なこと。』

そして『このごろの絵の具は、純度が高すぎて、趣のあるものがなかなかできにくい。わざわざ不純物のある銅、鉄など、古い時代に作られたものを集めて絵の具を作っている。』

というようなことも話されていました。さらに土の話、本来なら青みがかった器に仕上がるものを、濁絵という技法で、彩色の似合うやわらかい白へ導くこと。

『あと10年もしたら、教えられる技術を持っている人間が居なくなる。今が最後のチャンスかも。』…とも。

長い伝統の中に在る人間も、我々と同じ100年やそこらの寿命のなかで生きているということはかわりなく、今の時代の影響とは無関係にはいられないとなると、…なんだかなぁ。

『スピードと効率』によって、良いものかどうかも定かでないうちに、物事の順列が振り分けられてしまいがちな、今の時代に課された悩みは深刻です。

後の時代に何を遺すか。…『歴史と伝統』の看板で後継者が集まらない現状に、まずは第一次産業に人間が集まらないような教育を施してきた、現在の教育の方向性のことも、考え直してはどうか、という気持ちがあります。

『振り回されている間に人生が終わってしまう』ことは、長い年月の上に花開く職業(職人さんのような)にとっては致命的。

日本人の美意識は『美しさ』である、というふうに、何度もおっしゃっていた柿右衛門さん。確かに、能面の美、般若の美、刀剣の美、これらは『奇麗である』、という表面をなでるだけの物差しでは、到底到達しきれない、深さ、醜悪をも含むおそれなす美の世界。

若い人に、時間と労力を割いて魅力を伝えることは、まだ、無駄ではないですね。

会期は11月29日まで。

芸術に関係なく、興味の無い人にもぜひ観てほしい展覧会です(^^)



同じく、こちら高知県立美術館のコレクション展で、

『映画研究家・星加敏文 映画ポスター・コレクション』が開催中です。

展示室の壁いっぱいに、映画のポスターを『貼れるだけ貼りました!!』…という根性の展示がご覧いただけます。(全部で484枚もあるらしい。^^;)

私はあまり、映画そのものに馴染みがある人間ではありませんが、それでも、『名前は知っている』映画がちらほら。『こんなポスターだったのか〜!』、『内容、これであってましたっけ…?』、今度、詳しい友人を連れてもっかいゆっくり観に行かねば…! …という感想。 

しかし、沢山ある中には、これ、『…いいのかなぁ。。。』というポスターが結構あり、『場所を選ばないと貼れないなぁ』、…集めた星加さんのご趣味なんだろうか。それとも時代のせいなんだろうか、…なんかスゴイ。(ひょっとして学芸さんの趣味かも…?)

ともかく、時代性をおびた仰天ポスターもあって、現在見かけるポスターは、一見派手にも地味にも見えますが、総じて随分おとなしいものだ(^^:)と思いました。…これらに比べたら。

映画を知らなくても充分楽しい、知っていたらもっと楽しい、ポスター展、会期は2010年1月11日まで!(^^)

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→11月3日(火・祝)に美術館ホールにて関連行事、『復活!星加敏文高知フィル・ムマラソン」があります。(詳しくは美術館ホームページまで!

2009.11.3

本日、『ロフトワーク』さんのサトウユキエのページ、『無料ダウンロードコーナー』にて、来年度用の年賀状のデザインを登録してみました。

上の柄は同じですが、黄色い帯とピンクの帯の2種類をご用意しています。よろしかったらご自由にご利用くださいませ(^^)

→我が家の印刷機で印刷するとこのようになります。


2009.11.10

切り絵のお年賀も製作してみました。柄は左の写真のとおりです。

こちらも『ロフトワーク』さんの『無料ダウンロードコーナ』にて配布しています。

こちらも、よろしかったらご利用くださいませ(^^)

→我が家の印刷機で印刷するとこのようになります。


2009.11.16

タイムスリップ日記です。

本日はあちこちドタバタです(^^;)

まずはこちら、只今いの町『紙の博物館』にて開催中の展覧会、

『使える和紙展』11/20まで。

をのぞいてきました。20代、30代の若手紙すき職人の方々と、デザイナー、イラストレーターのみなさんが参加して、文字通り『使える和紙』の提案をする、という試み。

先日から高知県立美術館で開催中の『日本のわざと美』展覧会の中で、『わざの絶えたもの』の紹介を見て来たばかりの私にとっては、何だか心に迫るものあり、ぜひとも応援したい、と思いました。

展示室でにあった作品は、どれも素敵でモダンなものばかり。

ぜひ、会場をのぞいてみてください(^^)

続いてこちら、高知市桂浜にある『龍馬館』こと、『風になった龍馬展』(高知県立坂本龍馬記念館)。

来年の大河ドラマが『坂本龍馬』ということで、来年はきっとここも大変(!)という本拠地にお邪魔して来ました。

本命はこちらで同時開催中の展覧会『中村斗世木 ボトルシップ 世界の帆船』展です。

ボトルシップ、こんなに沢山見たのは初めてです。しかも、世界中至る所のあらゆる時代の船が並び、背後は本物の太平洋が広がる会場と、実に見事に溶け合った展示でした。

瓶の中にまで、それぞれの船に見合った風景が油絵で描かれていて、しかもそれが正面と背後では全く別の絵である、というのにはびっくり。…恐るべき『こだわり』の片鱗が…。

こちら11/30にちまで。ぜひ、足をお運びくださいませ(^^)!

→龍馬館入り口

龍馬館、屋上から高知市長浜方面  ←

『第十九回高坂雪香書教室作品展』11/13-11/15

花と器 SUMI 2F(すでに終了しています。)

日頃、同教室にて日々研鑽中のみなさんの作品展。

継続は力なりですが、時々このように展示があれば、日々の鍛錬、気合いの違いがあるかもしれません。

みなさん思い思いの作品が、楽しげに並んでおりました。(^^)

楽しく続けられるというのは、長く続く秘訣ですね。

本日最後はこちら、

高知市春野町にて開催中のイベント『菊の森』

写真は11/12の映像です。

満開満開、翌日の雨模様という天気予報もあってか、

大勢の見物客で賑わっておりました。

菊は年中出回っておりますが、やっぱり秋がいいですね。

周囲は菊の良い香り、何とも豪華な咲きっぷりでした。


2009.11.26
みなさまお久しぶりです。

またもやつるつるっと、10日ほど経過しております。

この間、全く落ち着きのない感じ。もうトホホです…(^^:)

→こちら、11/14(土)に行われた『龍馬の手紙を読む』朗読コンサート。(主催:高知県立龍馬記念館)

ボトルシップの展覧会(11/30まで只今開催中)を見に行った翌日、偶然にも「このような催しがあるよ」と、お誘いいただきました。(N様、そのせつはありがとうございました。…その後、お加減はいかがでしょうか…?)

実は、龍馬館にはお手紙の展示が沢山あったのですが、展示の船に気を取られていて、しっかり中身を読んでいなかった私。

ぼんやり見ていて何のことやらわからなかったことがけっこうあり、なんとなく中途半端な感じで帰宅していたこともあって、『これは行ってみるべし!』

朗読してくださった小林綾子さん、ほんとにもう見事に乙女姉さんでした。西村直記さんのシンセサイザーも、その場に溶けこんだ良い響き…。

よく考えてみると、11/15日は、龍馬さんの誕生日で命日でもあり、何かしらその渦に、飲み込まれたような不思議な数日間でした。

この後、高知県の各地で、この催しは巡回するとのことです。お近くでの開催の際には、ぜひ、足を運んでみてくださいね(^^)


(2009.11.22)

タイムスリップ日記はさらに続く…。

こちら、高知県立美術館にて開催の『りぶらあと』。年に一度、この季節に開かれる催しで、美術館の回廊にぐるっと、高知ゆかりのさまざまなアーティストが出店して、一日限りのアート・マーケットが軒を連ねる催しであります。

今年も友人が『半袖半ズボン』(去年は長袖長ズボンでしたが)で出演するというので、私も見に行くことに(^^)

日々、進化していく姿に、陰ながらエールを贈ってきました。

さて、今年は生憎の空模様で、いつもの中庭から、素敵なステージは創作室の前に移動。色んな作品に、いろんな人の『今』を垣間見て来たような時間。

なつかしい再会もあり、楽しい一日でした。

(2009.11.25)

ひょんなことから、旅に出て来ました(笑)

芸西村の『筒井広道美術館』赤岡『絵金蔵』、最後は南国市立田の『nBOX』にて開催中の『手の仕事展』

筒井広道美術館は、芸西の役場のお向かいで、私は初めてのところでした。筒井広道さんの大作が、3部屋にわたってどーんと展示してありました。

展示に何か特別な趣向がある訳ではありませんが、筒井さんという方の絵に対する気持ちが、そのまま素朴に反映されている用な印象。

朗らかに生命力を織り込むような、力量を感じる作品群でした。

展覧会場から出たら、ふと見上げた風景に、先ほど見た筒井さんの絵の面影がありました。郷土の美術館に郷土の作家の作品がある、ということは、作家にとって幸せなことだと思いました。

続いて『絵金蔵』。

私は絵金が好きです。

出会いは高知に来てから、なのですが、よくよく考えてみたら何年も前に(ひょっとしたらまだ高校生くらいのときに)絵金祭りをテレビで見たことがあったかもしれません。(そのときのテレビ番組は多分、怪談みたいな特集の取り上げ方だったような…)

私が高知に来たとき、絵金蔵はまだ無くて、公民館の2階に、絵金の屏風がずらーっと並んでいて、しかも公民館の電灯が切れかけて点滅しているなかで、絵金の屏風絵を初めてじっくりみた、という謎の思い出があります。

あんまりじっくり見ていたので、気がつくと他に人が居ない(笑)、首が飛んだり手が飛んだり、血みどろの絵の屏風10枚以上に、たった一人で囲まれていたことは、未だに忘れられません。

立派な美術館が出来て、しっかり文化財として保存された今、あんなに凄いものが失われずに済んでよかったと言う気持ちは、心の底からありますが、絵金の荒々しい気迫は、やはり閉じ込められたケースの中よりは屋外がよく似合う。

久しぶりの絵金は、少しこぎれいになっていました(笑)

最後はこちら、『nBOX』さんで開催中の展覧会、『手の仕事展』

手作り品の良さ、というものを凝縮したような展覧会で、色々な作家さんの、ガラス、布、和紙、手作りの品が沢山並んでいました。

もうすぐクリスマスで、素敵なプレゼントにもぴったり(^^)

会期は29日まで、こちらはまだ間に合いますので、ぜひご覧くださいませ。